「何者にもなれていない」と焦る27歳…将来を後悔しないために今おこなうべきこととは?

今回はある就職相談サイトに掲載されていた悩み相談をテーマにします。

「27歳」を迎え、自身のキャリアの現状に対して焦りを感じている方の投稿から、そういう悩みを抱えている方の取るべき行動について考えてみたいと思います。以下、その方の投稿を引用します。

先日ついに27歳になりました。入社して5年経ったら、このくらいのことはできるだろうと思い描いていたイメージがありました。実際、いざその年齢になってみたらイメージと違って、できないことばかりです。自分のキャリアに対して焦っています。「何者にもなれていない」といいますか……。
このまま焦り続けるのは嫌なので、これからどんなアクションを心がけてキャリアを積めばいいのかアドバイスいただけたら嬉しいです。

(Aさん/30代前半/男性/メーカー)

「危機感」を抱くのは大切なこと

まず、Aさんがご自身のキャリアに対して「危機感」を抱いていることがわかります。

それはネガティブなことではありません。むしろとてもよいことです。

危機感とは「変わろうとする意志」。人を動かす大きなエネルギーとなるものです。危機感のあるAさんは「伸びしろが大きい」と言えるでしょう。

いつの時代でも、それくらいの年齢のときには、Aさんのように焦りを感じている若者は多いと思います。若いのに確固たるキャリアを築くことができていないとに悩むことは普遍的なテーマだと思います。

とくに今の時代では、会社が生涯のキャリアのレールを敷いてくれる時代は終わり、自分のキャリアデザインは個人でやるべきこと、「キャリア自律」という言葉が注目されているような時代ですから、なおさら強くそういうふうに感じる方は多いのではないでしょうか。

その一方で、社会での「成功者」が低年齢化している傾向もあります。

SNSを通じ、「インフルエンサー」、「ユーチューバー」、「スタートアップの経営幹部」など、20代、30代で著名になったり、高収入を得たりする人の姿に触れる機会が多くなっています。

個人の「ブランド化」に成功した人たちと自分を比較してしまっている部分もあるのではないでしょうか。

そこで、ただ悩むだけでずるずると現状維持にとどまるのか、新たな行動を起こすのか。

自分を変えようと決意すれば、どんなタイミングでも遅すぎることはありません。「思い立ったが吉日」です。今できることは何かを考え、すぐにでも行動に移し、最善を尽くしてください。

危機感を感じている今がチャンス。危機感を原動力にして行動に移すことができるかが大事です。

そこで以降では、5つのメッセージをお送りします。

比較するなら「他者と」ではなく「過去の自分と」

先ほども触れたとおり、今はSNSを通じて多くの人の情報が入ってきやすい時代です。

頑張っている人を見て刺激を受けるのはいいことなのですが、「あの人は比べて自分は……」と比較して卑下することはやめましょう。

他者と比べてしまいそうになったら、「過去の自分」と比べてみてください。例えば5年前の自分を振り返ると、今の自分にはできるようになったことがたくさんあると思います。

自身の「成長」にフォーカスしましょう。

過去は変えられない。その中にある「価値」を見つけ出そう

Aさんは27歳の自分に対し、描いていたイメージと現実にギャップがあるとのことです。ただし、どうやっても過去を変えることはできません。どうにもならないことを否定したところで、前向きなものは何も生まれません。

自分がやってきたことの中から「価値あるもの」を探すのです。

成果を挙げた仕事もあるでしょうし、人から感謝されたこともあるはずです。自信を持てる「強み」が必ずあるはずです。

自分で見出すのが難しい場合は、人に聞いてみてください。友達や家族、会社の上司、先輩、同僚など。メタ認知は意外と難しいものなので、ひとりで判断するのはよくないです。自分では気づくことのできなかった強みがわかるかもしれません。

自分ならではの価値とは何なのかを考えてみてください。

過去の自分を見つめなおすことで、自分の成長したところや、強みがわかる。

30代でも異業種・異職種へのキャリアチェンジはできる

27歳のAさんは、今から思い切ったキャリアチェンジを図ることも可能です。

異業種・異職種への転職は、30代後半でもチャンスが広がっています。

同業界・同職種の経験を求める「即戦力採用」が主流だった昔と比べると、採用難の今は「ポータブルスキル」をうまく活用すれば、30代でも未経験業界へのチャレンジがしやすくなっています。

ポータブルスキルとは、業界・職種を問わず持ち運べるスキルのこと。例えばコミュニケーション能力、課題分析能力、課題解決能力、折衝能力、洞察力、といったものです。

もし、今の業種・職種で成長イメージを描けないのであれば、異分野に目を向けてみるのも一つの手です。ただし、30代に入ると年を重ねるごとに求められる期待値が高くなり選択肢は狭まります。ですから、少しでもキャリアチェンジを考えるならすぐに行動を起こしましょう。

100%自分のために使える時間を有効に使おう

27歳で、長時間労働を強いられる職場ではなく、独身であれば、自分のためだけに自由に使える時間はあると思います。

これが結婚をして、育児をするとなれば、男性・女性ともに時間が制約されます。そして、「守るもの」ができれば、自分だけの都合で新たなチャレンジもやりにくくなります。

ですから、自由な時間がある今のうちに時間の有効活用を意識することをおすすめします。

書籍やセミナー、ワークショップなどで学ぶ、個人的にコーチを雇い、自分のスキルを磨く、スキルアップにつながる副業をするなど、ご自身を成長させるチャレンジに時間とお金を投じてはいかがでしょうか。

キャリアコーチをパートナーにする

今の時代、Aさんのような若者だけでなく、あらゆる年代の人がキャリアに悩みを抱えています。

近年はビジネス環境の変化が目まぐるしく、今後もさらに変化が加速します。

40代でも50代でも、次のキャリアを模索し続けることになるでしょう。

そうした環境下で、「キャリアコーチ」、「キャリアメンター」などのサービスが生まれています。

従来、キャリアの相談先といえば転職エージェントが主流でした。転職エージェントは転職検討者に求人企業を紹介して転職を成立させることで企業側から成功報酬を受け取るモデルであるため、個人からのキャリア相談は無料です。

しかし、最近は個人向けの有償サービスも増えています。

キャリアコーチは求人紹介とは切り離した形でキャリアに関する相談を受け、その人の強みの発見、強みをどう活かしていくかのアドバイスなど、キャリアデザインをサポートしてくれます。

数十年にわたって常にキャリアを考え続けていかなければならない時代、プロの知見と情報を持って伴走してくれるパートナーを見つけておくのは有効な手段です。

何をするにも遅すぎることはありません。思い立ったが吉日。自分で選んだ人生を正解にするのは自分次第です。

コロナパンデミックによりDX(デジタルトランスフォーメーション)が進みましたが、さらにここからは「どう生きるかが重要な問い」になる時代が到来したと感じます。今、一歩踏み出すことで10年後、20年後、30年後の未来が大きく変わります。

ぜひアクションしてみてください。